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"Brahma"雑記

2020年某日、バリ風スピードコアの制作オファーをいただく。

 バリ風…確か宇宙刑事シャイダーの不思議獣のデザインはバリ島の精霊のお面がモチーフだったなぁ…デザイナーは野口竜さんだったか…と音楽と全然関係のないことがまず思い浮かび、その後ガムランやケチャ等の音楽に直結する記憶が蘇る。

 とりあえずバリ島に関連した生音素材をいじりだすも、本来のガムランのチューニングは西洋音階とまるで違うのであまりピンと来ず、ケチャもリズムに揺れがあるので上手いことはまらず、結局ガムランは打ち込み、ケチャパートもリズムパターンを調べて自声で組み直した。

 ケチャは5種のリズムパターンを同時に鳴らすポリリズム構造なのだが、それぞれのパターンだけだと「?」としかならず、半信半疑で5種作って同時に鳴らしたところ、ちゃんと自分の怒鳴り声でケチャになったので思わず笑う。

 そしてストリートビューでバリ島内をうろつき、行く先々の景色から着想したリフを元に展開を構築。その際に立ち寄ったバリ島内陸部の周りを高い山に囲まれた美しい湖を有する村、Kintamani(キンタマーニ)を曲名とし納品。

「あの曲名、NGです」
「えっ」

 地名だから大丈夫かと思っていたがキンタマはやはり駄目だった。仕方なく再びバリ島に舞い戻り、市内をふらつきながら新たな曲名"Brahma"を絞り出す。後付けとはなったが割としっくりくる曲名となった。

 ジャンルは一瞬、Bali Style Speedcoreにしようかな…とも思ったが、使用素材がバリ風なだけで楽曲構造は高速ガバキックにけたたましいシンセリフ、と、いつも通りなのでTokyo Style Speedcoreのままとした。

"Brahma"はbeatmania IIDX 28 BISTROVER内のイベント『召しませ!BISTROVER』でプレイできます。

beatmania IIDX 28 BISTROVER 『召しませ!BISTROVER』
https://p.eagate.573.jp/game/2dx/28/event/bistrover/index.html

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末永く遊んでいただけると幸甚です。

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  1. 2021/05/11(火) 17:52:56|
  2. Text - 雑記
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余生楼

年末年始は転居等でバタバタとしていたが、何とか乗り越えた。

去年の段階ではいつ死んでも不思議じゃないよなぁと思っていたが、昨年末、定期診断で撮影したレントゲンをチェックする主治医に
「(人口血管群の定着具合が)キレイなもんだね」と告げられて少し安堵。
そして小さなお節をつまみながら年を越し、昨年倒れた1月3日も無事に過ぎたところで、やっと新年を迎えられた気分になれた。

転居だが、以前の部屋が3DKと今の俺にはやや広すぎ、更に一度死にかけたことで物に対する執着がほぼ無くなった為、断捨離もかねて近所で見つけた1DK+αのコンパクトな部屋に越した。

前の部屋に引き続き今回もまたエレベーター無しの5階なのだが、階段昇降は血圧を低下させるには寧ろ良く、そして足の筋力の維持にも役立つ。
今は近所への買い物程度であれば普通に歩いて行けるが、腰から下に軽い麻痺が残っているため長い距離を連続して歩くと痺れや痛みが出る状態ではあるので、この上さらに足の筋力が落ちれば恐らく杖をつく羽目になる。
ドクロの杖をつく怪人然とした姿への憧れもなくはないが普通に歩けるならそれに越したことはないので、少し負荷をかけて鍛えた方が良いと判断した。

最初に不動産屋と共にこの部屋へ内見に訪れた際には、前の住人の質が良くなかったのかまるで廃墟の様な有様だったが、契約後に内装工事が入り、転居直前には白い壁に白い床の小奇麗な部屋に変貌を遂げていた。
リビング+ダイニングキッチン+ユニットバス+サンルームで33㎡。おかげで掃除がかなり楽になった。

サンルームは在庫倉庫として使っており、その前には小さな庭くらいのサイズのテラス。ここからは天気がよければ遠くの山並みも眺められ、隣接している高い建物が少ないため空も広く見える。なかなかの眺望。

そして何よりも有り難いのは、この部屋のみ1フロア1世帯なので音出しにあまり気を使わなくていい点。これが最上階のこの部屋を選ぶ決め手となった。
流石に深夜にモニタースピーカーを鳴らしはしないが、日中はある程度の音量で鳴らしても近隣に迷惑がかからない。

年の瀬に業者に来てもらい引っ越し、正月は箱に埋もれながら迎え、なんだかんだで色々と片付くまで丸一か月。
そして2月に入ると同時に昨年できなかった製作用PCの換装を開始。組み立てこそ1日で終わったが内部システムの整理にこれまた1週間くらいかかり、つい先日やっと落ち着いた。

一段落ついたところで何日か映画や海外ドラマを見てゆっくりと過ごしつつ、ぼんやりと「新生m1dyスタジオ」ってのも素っ気ないから「余生楼」とでも名付けるか…と思っている今日この頃のm1dyです。こんにちは。

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  1. 2020/02/12(水) 15:06:49|
  2. Text - 雑記
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現況と今後、からの謝辞

冒頭に最初の手術から1週間後の自撮り画像を載せるつもりだったが、改めて眺めたら死体画像にしか見えなかったのでモザイク処理した。

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幼少時から喘息の発作で何度か死にかけたことはあった。そして中年になり、今度は首から下がリアルに死んだが、再び呼び戻された。

2019年1月3日、正月気分で機嫌よく酒を飲み座椅子でうたた寝。夜更けに目を覚まし寝床に入ろうと伸びをした瞬間、胸の中で妙な音が鳴ったと同時に激痛が走る。

「…なんだこれ」

足が攣った時の様な強烈な痛みに胴体全体を支配され、暫し体勢を変えて逃れようとするも一向に痛みが治まる気配がない。
あかん、これ救急車呼ばないと駄目なやつだと自ら声を振り絞り119番。

数分後、救急隊が慌ただしく到着し、救急車に乗せられたところで
「去年は活動二十周年だったし、あちこちに提供した音源もまとめてリリースできたし、死ぬには悪くない時期かもな」と思ったところでブラックアウト。

喉に突っ込まれた人工呼吸器の管の痛みで意識が戻る。
自ら管を引っこ抜いたことで駆け寄って来た看護師に今日の日付を訪ねると
「もう6日ですよ。お帰りなさい」

スタンフォードA型急性大動脈解離。
心臓のすぐ上、弓状になっている大動脈が裂け、その際に外膜、中膜、内膜の三層構造になっている動脈壁の一層と二層の裂け目に勢いよく血液が流れ込んだことで大動脈の内側が腰の下辺りまで一気に解離。

最初の手術では頭部のみにポンプで血を送りながら首から下の血流を一時的に止め、胸を仏壇みたいに開いて裂けた弓部を人工の物に置換。
そして春に受けた二度目の手術ではステントグラフト(ステンレス網と繊維で出来たチューブ)を鼠径部に開けた穴から挿入し、解離した内側を補強。その際、左手に繋がる動脈が構造上どうしても塞がってしまうので、首の動脈から人工血管で左手に血流をバイパスする手術も同時に行われた。

どう見ても初回の手術の方がダメージがでかいのだが、朦朧としていた為か何故か術後に痛みをあまり感じず、それよりも二度目の鼠径部に開けられた穴の方が遥かに痛く「麻酔効いてないって!」と意識が戻るなりICUで大騒ぎ。

二度目の手術では「5%の確率で下半身不随になるかも」と先に告げられていたので、スカルの杖を振り回しながら電動車椅子で若者を追い回して殴打する面白キャラになることも想定していたが、幸い左足の軽い麻痺、そして括約筋の麻痺により排泄し難くなる程度で済んだ。

両肩腱板の血行不良による痛みも残ったが、鬱陶しいのと深夜に痛みで目が覚める程度で日常生活にはさほど影響はない。

あとは日頃服用している降圧剤の副作用による血管痛、原因がよく分からない突発性の眩暈、そして何か作業をすると血圧がすぐに急上昇するので今のところまだ長時間の活動はきびしい状態ではあるが、これら細かい不具合はいずれ軽減すると思うのであまり深刻には考えていない。

ただし重い物を持って力んだり激しい運動をすることは一生禁止されている。
大動脈内はステントグラフトで補強したとは言え、そこから各部位に伸びる動脈は滅茶苦茶なままなので油断は禁物とのこと。
主治医にどれくらいまでの運動ならOKか訪ねると
「ゆっくり歩く程度。何年かして安定しても軽いジョギングまでかな」
「じゃあ筋トレは?」
「筋トレ?(笑)」
笑われた。

そして年明けの緊急手術から十ヶ月、二度目の手術から半年後の現在。
前述した身体のあちこちに残る不具合に日々舌打ちしながらも、どうにか日常生活を送れるようになり、食欲不振から20kg近く減った体重も夏辺りから自炊と晩酌を再開してからは無事に(?)10kgくらい戻り、己のしぶとさと悪運の強さに苦笑している。

とは言え、未だ痛みや眩暈と共にやってくる混乱と虚無感と悪夢が合わさったようなフラッシュバックに度々悩まされてはいるのだが、傷病者らしく憔悴して息を潜めて萎縮しながら生きる事を拒否し、現在は己を楽しませテンションを上げさせることのみに尽力している。拾ってもらった命ではあるが好きなように生きられないのであれば廃人になる方がマシ故に。

再び迎えが訪れるまで俺は俺を楽しませ続ける。それを肯定し応援をしてくれる諸氏には、この愉悦や享楽、新たな興奮を再び共有させて頂きたく思う。

このマイナスからのコンティニューは俺自身と諸氏を楽しませる為のみに使う。まだアクティブに活動できるようになるまで暫らく時間はかかりそうだが、生ある間はフラつきニヤつきながらゆっくりと前進して行くので。

此度、救命と延命に携わってくれた全ての医師と医療スタッフ、行政職員、そして俺が生き延びたことを喜んでくれている友人知人やリスナー諸氏に心から感謝を。

それでは今しばらく、頭のおかしい音楽をお楽しみください。

  1. 2019/11/11(月) 03:52:18|
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夏の新作まとめ

次世代スピードコア『Thrashkick』コンピレーション第二弾
"Thrashkick Must Die v2.0"同人ショップ各店で発売中。一般流通は9/6から。

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アーティスト : V.A.
タイトル :Thrashkick Must Die v2.0
レーベル : EZiKi
品番 : EZKCD004
定価 : 1,300円(税別)
特設サイト: https://ezkcd004.tumblr.com/

m1dyが提唱するDJユースのスピードコアサブジャンル「Thrashkick(スラッシュキック)」コンピレーション第二弾。繋ぎやすさを重視した展開とBPM(150-300)、フロア向けに最適化された音圧、ジャンルレスな最先端トラック群が新たな地平を切り開く。第二弾では新たにt+pazolite、DJ Myosuke、Kobaryoの実力派SPEEDCOREトラッカーをゲストに迎え、更に過激に加速する。

01 m1dy - DogDays
02 t+pazolite - Vanished Away
03 M-Project - Take Me Higher
04 Coakira - Firework
05 Kobaryo - 666 Last Kill (feat. Srezcat)
06 m1dy vs M-Project - Rock That Body
07 DJ Myosuke - Every Buddy Fucking Fuck
08 QURELESS - Thrash Da Bass
09 DJKurara vs EZiKi DJ Crew - Growl Bass Beastgirl
10 Bonus Mix (Mixed By m1dy & M-Project)

取り扱い店一覧
渋谷GUHROOVY
TANO*C STORE
あきばおーこく
メロンブックス
とらのあな
AKIBA HOBBY
金沢グレップ


"X-TREME HARD COMPILATION VOL.10"
書き下ろし曲"Open The Door"で参加。
渋谷GUHROOVYで発売中 http://guhroovy.shop-pro.jp/?pid=121108323

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アーティスト : V.A.
タイトル : X-TREME HARD COMPILATION VOL.10
レーベル : X-TREME HARD
品番 : XHCD026
定価 : 1,800円(税別)
特設サイト : https://xhcd026.tumblr.com/

『X-TREME HARD COMPILATION』シリーズ第10弾!お馴染みのレギュラーメンバーに加え、TDOH2017で来日のMitomoro、Lethal Theoryに加入し勢いを増した活動が注目されているRelect、QURELESS、RedOgre、Xystran等によるスピードコアユニット・SPEEDCORE DISASTER、前作『$wag $wag』が大好評だったSavage States feat. Numb'n'dubの名コンビから、Transcend & Cyrax、Fallon、Jonny EL、SOTUI等の海外ゲストを交えた最強の1枚!

01 Mitomoro - I'm Alright
02 Daniel Seven - Time Out
03 Relect - Going Out Tonight
04 Jonny EL - Home
05 Dustvoxx, Laur - FireLight
06 DJ CHUCKY - Purple Moonlight
07 RoughSketch feat DD”Nakata”Metal - Way of the Sanurai
08 M-Project & Steve Heller - The Time Is Now
09 Savage States feat. Numb'n'dub - Massive Impact(Tek Hot Conscious)
10 Transcend & Cyrax - Insight
11 Jakka-B ft Blue Eyes - Nothing To Fear (Fallon Remix)
12 SOTUI & Kortarow - You Complete Me
13 Coakira - Delos
14 SPEEDCORE DISASTER - Trinity Assembly
15 m1dy - Open The Door


Psycho Filth Records最新コンピ"PSYCHOの夏"
書き下ろし曲「Cicada」で参加。ショップ各店で発売中
(特設サイトにてチェック)

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Title : PSYCHOの夏
Artist : Various Artists
Label : Psycho Filth Records
Cat No: PFEX013
Date : 2017/8/11
Price : \1,200(+tax)
特設サイト : http://psychofilthrecords.net/PFEX013/

PSYCHOで最高の夏が始まる―
夏といえばスピードコア!Psycho Filth Recordsから夏をテーマとしたコンピレーションが登場!
爆速最強スピードコアがあなたの夏をより刺激的に演出します!

01 m1dy - Cicada
02 RoughSketch - Tropical Boost
03 DJ Myosuke - お祭りBLAST
04 OZIGIRI - いたばし夏のハードコア花火大会
05 Dustvoxx - Hopper's Drum
06 Laur - Passion Concert
07 Kobaryo - 夕暮れ
  1. 2017/08/12(土) 20:57:59|
  2. Release - 物販情報
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オフィシャルサイトとか近況とか

去年不慮の事故でデータが全て飛んだm1dyオフィシャルサイトが一か月くらい前に復活しています。
m1dyオフィシャルサイト http://m1dy.com

SNS全盛の今、オフィシャルサイトを見る人もあまりいない気がしているんだが、WEB上のホームとしてはやはり必要なのかね。情報をまとめて視認できる場所がないと困るお客さんも中にはいるだろうし。

せっかく久しぶりに記事を書いたので近況報告でも書くか。
春のM3に向けてThrashkickが何曲か入ったマキシかミニアルバムの準備をしている。あと海外のゲームメーカー3社に過去曲を提供したが、その内の1件しか詳細がわかっていない。何故なら人づてでオファーが来たのと、過去曲なのであまり拘りがないから。

あとはなんだ。ああ、去年の後半くらいからブリーチをやめて、素のままでロマンスグレーになっているんだが、これにしてからやたらに老けた老けた言われてテンション下がるので、またブリーチするか黒く染めるか迷っている。別に歳も歳なので素でいいじゃねえかとも思いはするのだが、やはり実年齢より老けて見られるのはちょっとアレだ。ロマンスグレーになるには早過ぎた。

最近はベースミュージック全般を色々聴いている。つっても有名どこばかりだが。MonstercatとかOWSLAとかが頭のおかしい音楽を輩出しているので、その辺のを中心に。Thrashkickの肥やしにもなりそうだし。
あとは10代の頃に聴いていたパンクロックとかニューウェーブとかを聴き直して新たな発見をしたり。夜中に酔いどれて爆音で聴いて無駄にテンション上げたり。今年44歳かぁ俺いつまで生きるんだ?こんな歳まで生きる気なかったぞ。やりたいことしかやらないデタラメな生き方して、もっと前に道端で血を吐いてゲラゲラ笑いながら死ぬ予定だったんだけどなぁ。なんか色んな人達がこの歳まで生かしてくれたなぁ有り難いなぁ感謝しかないなぁとか思いながら…何の話でしたっけ。ああ、近況報告か。

ミュージシャンってのはある程度パブリックイメージを自ら操作する為にキャラを作るのが定石だと思うんだが、俺はそういうのがどうも苦手で。故にあまりこういう場で発言をせず、たまに酔った勢いで何かを書いてもこういう寝言みたいなことしか書けないのだが、まぁ、読み手が嫌な気分になるような、他者に対する批判的な事とかは書かないのでご勘弁を。そもそも他人様が何を言ってようが俺の知ったことじゃないので書こうにも書きようがないってだけだが。政治も経済も社会も愛も興味ないや。

あとそもそも俺は、素の俺が一番カッコイイと思っているので。
キャラなんかいらんわ。
  1. 2017/03/21(火) 00:13:02|
  2. Text - 雑記
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m1dyタイトル、TANO*C STOREにて取り扱い中

m1dyですコノヤロウ。パンパカパーン。

m1dyのアルバムやらEPやらがTANO*C STOREで取り扱い開始されました。
http://www.tanocstore.net/shopbrand/MADDEST/
http://www.tanocstore.net/shopbrand/EZiKi/
以前から取り扱いの要望が多かったそうで、そういう諸氏は待たせたな(ズキューン

あと「Thrashkick Must Die v1.0」の一般流通も開始しております。特設サイトのストアリストを更新したので、まだお持ちでない諸氏はお好きなストアにてどうぞ。https://ezkcd002.tumblr.com/
リストにはないけどタワレコとかHMVとか近所のCDショップでも取り寄せできますよ。ホントに?たぶん。


  1. 2017/03/04(土) 09:47:29|
  2. Release - 物販情報
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Thrashkick(スラッシュキック)解説

さて。今年の10月にこんなことをTwitterで呟いた。





全然近日じゃなくてもう2か月前になるが、C91で2枚目のThrashkick音源「Thrashkick Must Die v1.0」(https://ezkcd002.tumblr.com/)をリリースするので(土曜西1れ-23ab)、そろそろ経緯も含めてThrashkickについて解説しておこうかと思う。

SPEEDCOREが誕生して20年以上が経ち、自身も20年近く作っている。有り難いことにリスナーも国内外に結構いる様で、昨今はゲームで使われたり、後続のトラッカーも出てきて、それなりに裾野は広がった様に思えるのだが、やはりどうも一部の層向けの「キワモノジャンル」感を拭えずにいる気がする。
そもそもダンスミュージックの一種なのに速すぎて踊れないという根本的な矛盾を抱えているジャンルなので、キワモノ扱いされるのは当たり前ではあるのだが、このままではこれ以上の展開は望めなく思い「速い・うるさい」という性質を維持したまま1ダンスミュージックジャンルとして一般層へ浸透させる方法をここ何年か考えていた。

何故、SPEEDCOREが20年以上経っても未だ一般層まで浸透できていないのか。元々はメインストリーム(ハードコアだけでなくダンスミュージック全般)へのアンチテーゼとしての側面もあるジャンルなので、それならば一般層に浸透しないのは当然だが、少なくともm1dyはアンチメインストリームとしては作っておらず、そうした姿勢のトラッカーは他にもいる。身も蓋もない言い方をすれば「ヒット曲がないから」浸透しないのだが、それ以前にヒットする下地すらないのも原因の一つかと考え至った。
SPEEDCOREがフロアに流れるのはトラッカーのライブが中心で、専門のDJもいるにはいるが少数しかおらず、他ジャンルのDJがSPEEDCOREトラックをミックスに使うことは殆どない。これでは拡散性が低く、新しい展開が望めないので、まずはDJに気軽に使って貰えるようにする必要性がある。やはりCDや配信ではリスニングミュージックとしては拡散できても、イベントやフェス等で頻繁にかからないことには一般層へのダンスミュージックとしての浸透は難しく思える。

では、DJ諸氏に現場で音源を使ってもらう為には何をするべきか。自身のライブ経験から、観客はSPEEDCOREに「モッシュ」で対処する傾向があり、盛り上がっている状態であればかけても(曲調にもよるとは思うが)ヒートアップはしても盛り下がることはない様に思える。これは恐らくSPEEDCOREをチェックして性質を把握しているDJには理解して頂けると思うが、それでも実際のDJプレイで使われることはない。
何故か。それは単純に「速すぎて繋ぎようがないから」「そもそも繋ぎ代がない音源が多いから」「音質・音圧が曲によりバラバラだから」なのかなと。

上記のことを長年DJとして活躍しているM-Projectに相談し、二人で一年以上「BPMを下げたらいいのか」「でもそれじゃスピコアじゃなくなる」とか「アップテンポハードコアのフォーマットで作ってみては」「あれは250BPMくらいが限界だろう」等、あれやこれやと考え、とりあえずDJが使いやすい仕様を取り入れたSPEEDCOREを作ることにした。BPMをギリギリ身体でリズムが取れる300に固定し、150からでも300からでも繋ぎやすい繋ぎ代を設け、音圧は昨今のEDMくらいに合わせて…等、どうしたらDJが現場で使いやすいかMプロと相談しつつ、試しに何をやろうとしているか公言をせずに拙EP「Do The Shit」(http://mdstep003.tumblr.com/)に収録されているタイトル曲と「Turn up da Bass」の2曲を作ってみたが、ブレイク明けで中途半端な1小節を入れてしまったりして「これじゃDJは繋ぎ難いすよ」と駄目出しされたり。そこから「構成や展開も仕様化して(SPEEDCOREの)サブジャンルにすれば他のトラッカーも作ることができ、それにより曲数が増えれば更に拡散されやすくなる」という結論になり、近所の沖縄居酒屋で泡盛を飲んでる最中に思い付いた「Thrashkick」をジャンル名に使うことにし、Thrashkick専門レーベル「EZiKi」の立ち上げに至る。

以下は「Thrashkick Must Die v1.0」を企画の際、各トラッカーに配布した「Thrashkick仕様書 v1.1.2 by EZiKi」からの転載。

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まだ立ち上げて間もないジャンル故に仕様面での改良の余地はあり、曲数も少ない状態ではあるが、現状ミックスしやすい状態にはなっており、150BPMからでも繋げるのでEDMやハードスタイルを普段かけているDJ諸氏にもガンガン現場で使って頂けたら幸甚。また、自分もThrashkickを作ってみたいというトラッカー諸氏がいれば、info@m1dy.comまでデモ(とりあえずジャンル問わず)を送って頂ければと。

暫くはThrashkickトラックを増やしていくつもりだが、もうとんでもない速さの頭のおかしい曲を作らないという訳ではないので。あれはあれで今後も作る、と思う。

June.3.2018 P.S.
Thrashkick is a new subgenre of speedcore.
In the past, speedcore tracks have varied wildly interms of both BPM and harshness of sound, and rarely if ever included the substantial intro and outro sections necessary to facilitate DJ mixing, all of which has made the genre quite difficult toDJ.
Thus, Thrashkick was created: a new style emphasizing accessibility for DJs and based in an established set of rules: a standarized BPM of 300, an even balance of sound, and the addition of full intros and outros to tracks.
  1. 2016/12/29(木) 05:19:52|
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【C91新作】Thrashkick Must Die v1.0 他

さて年末。冬コミ間近だ。今回の新作はThrashkick初のコンピレーションアルバム。これと前回の「Speedcore For DJs」を合わせて13曲になったのでそろそろDJツールらしくなってきた気が。来年もガンガン曲を増やす、と思う。

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Artist : V.A.
Title : Thrashkick Must Die v1.0
Label : EZiKi
Cut number : EZKCD002
C91(12/31)先行価格: 1,000円
頒布場所: C91 土曜日 西1 れ 23ab "MOB SQUAD TOKYO"
特設サイト: https://ezkcd002.tumblr.com/

01 m1dy - All Be One
02 DJKurara - Rocking The Thrashkick
03 Coakira - Neoprism
04 EZiKi DJ Crew - Blow Up The Moon
05 Agonistes - Heresy
06 M-Project - Thrash Pit
07 QURELESS - Go 2 Tha Trick
08 RedOgre vs EZiKi DJ Crew - Flat Spin Valkyrie
09 m1dy vs M-Project - Before Sunrise
10 Bonus Mix (Mixed By m1dy & M-Project)




続いてPARALLEL HARDCOREの第三弾。今回はなんとScott Brown御大が参加。回を追うごとに段々話が大きくなってきているので今後も要チェック。こちらではプロデュースと書き下ろし曲「Smash The Limiter」で参加。アーリーハードコアの音でJukeっぽいことをやったら聴いたこともない奇怪な曲になった。

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アーティスト: V.A.
タイトル: PARALLEL HARDCORE 3
レーベル: MOB SQUAD TOKYO
カットナンバー: MSTCD023
C91(12/31)先行価格: 1,500円
特設サイト: https://mstcd023.tumblr.com/

01 Scott Brown - Winkel Wagen
02 Freezer - Viridian
03 Casketkrusher & The Soul Seeker - Dark Syndicate
04 RoughSketch - Business Porn
05 DieTrax - GABBAGABBA HEAVY
06 Ozigiri - 21st Century Information Illiterate
07 DJ Shimamura VS TERRORHEAD 88 - DRAGON SONIC (UltraRich Boys Remix)
08 DJ SHARPNEL - Ignacid
09 SamplingMasters AYA - Diamond Three Raver
10 M-Project - Hardcore Maniac
11 MUZIK SERVANT - Brain X
12 SamplingMasters MEGA - Hands Down
13 Coakira - Scorpion
14 m1dy - Smash The Limiter
15 撲殺少女工房 - Happy Gamecore




最後は外部提供。t+pazoliteのとこの「MATTARI on za FUROA」にスィングベース中心のハウス「Kemuri」を提供。アルバムテーマが「まったり」だったのでラウンジでかかると気持ちいい感じに仕上げた。こちらは西れ-19ab C.H.S with Lick Dom Records + Diverse Systemにて頒布。MOB SQUAD TOKYOブースのすぐ近所。

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アーティスト: V.A.
タイトル: MATTARI on za FUROA
カットナンバー: MOTF-0008
即売会: ¥500 / 委託価格:¥700(税抜)
頒布場所: 西れ-19ab C.H.S with Lick Dom Records + Diverse System
特設サイト: http://c-h-s.me/motf-0008/

1 Hommarju - Drops
2 m1dy - Kemuri
3 BlackYooh vs. siromaru - Ruins of the Noise
4 t+pazolite - OYSM731



以上m1dy関連新作3枚。当日は西1れ-23ab"MOB SQUAD TOKYO"付近を漂っていると思う。では大晦日に。
  1. 2016/12/27(火) 17:12:39|
  2. Release - 物販情報
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【LIVE 12/10】エクハド大暴年会@MOGRA

m1dy最新作「Speedcore For DJs」12/7より一般流通開始。
現在各所で予約受付中。DJやってる諸氏は是非。
リリース詳細はこちら http://ezkcd001.tumblr.com/



さて12/10は毎年恒例のエクハド大暴年会。
今回は国内外からやばいゲストが多数出演。
今から体調を整えて臨んで頂けると幸甚。

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2016年最後のX-TREME HAAAAAAAAAAAARD!!
一年の締めくくりは、X-TREME HARD恒例の大暴年会!今年も秋葉原MOGRAにハードコアなメンツが集結!
スペシャルゲストとして、Futureworldに所属する新進気鋭のハードコアプロデューサー・Jakka-Bが大量の未発表トラックを忍ばせて初来日!そしてJapanese Hardcoreシーンのレジェンド・HAMMER BROSがMOGRA初ライブ!大阪からはド派手なルックスとエクストリームなライブパフォーマンスで注目が集まっているUTEROZZZAAAがX-TREME HARD初参戦!
見所満載のエクハド大暴年会!今年も見逃すな!!


X-TREME HARD - XH大暴年会
2016/12/10(土) @ 秋葉原MOGRA
http://club-mogra.jp/access/
OPEN/CLOSE:23:00-05:00
ENTRANCE:2500YEN/1D
※要ID/20歳未満入場不可
twipla:http://twipla.jp/events/229704

■SPECIAL GUEST
Jakka-B (Futureworld / From UK)

■DJs
DJ CHUCKY (GUHROOVY)
DJ Shimamura with MC STONE (WEEKEND RAVERS)
Morphonics a.k.a. 紙袋 B2B CaZ (EXTREMA)
DJ DEPATH&M-Project (TERRAFORM MUSIC)
DJ 490 vs Abitan (SKETCH UP! Rec. | WEEKEND RAVERS)
電撃姫vs204 (Scouse!TOKYO | HIKARIPSE)

■LIVE PA
m1dy (MADDEST CHICK'NDOM)
DJ Myosuke (MADCITY)
HAMMER BROS (KAK-A Recordings)
AV幼稚園
UTEROZZZAAA

■Lounge DJs
TAK666 (Cradle to Grave)
orinetone (QLoveDolls)

■MCs
KONNY MC (M.H.C.)
MC RALLY(DYNASTY RECORDS)
MC KCD

■VJs
かっか (NC帝國)
gatotsu
mine (9bi9)
  1. 2016/11/27(日) 17:14:06|
  2. Live - ライブ情報
  3. | トラックバック:0

【LIVE】J-core CORE!!&エクハド大暴年会SP

さて例年通り年末はライブが増える。今年も現時点で2発ございます。

まずは11/11夜、新宿ロフトにて昨年に引き続き今年も「J-core CORE!!」が開催されます。現在前売り発売中です。

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J-core CORE!!
2016.11.11 SHINJUKU LOFT
23:30 START
http://www.j-corecore.net/

11月11日金曜深夜
日本ハードコアテクノ大合戦勃発!!!!​
今夏コンピレーションCDを発表した
J-core CORE!!が再び新宿ロフトで開催!!!
今回は日本のハードコアシーン黎明期より支え、今なお躍進を続けるレジェンド達と、現在のハードコアシーンを更なる方向へ導く
ヤング勢が、大激突!!!!
世代を超えたハードコアドリームマッチが新宿ロフトを揺らす!!!!
​日本ハードコア大合戦を体感せよ!!!
前回話題をさらったフリーペヤングも開催!!!
英気を養い参戦すべしっ!!

何かとおトクな前売チケットは
ローソンチケット(Lコード74697)、
e+("J-core COREで検索)
にて取り扱い中!!!


続いて12/10夜、毎年恒例のX-TREME HARDの大暴年会SP。今年も秋葉原MOGRAで開催です。今年はメンツがちょっと面白いよ。フライヤーがまだ見当たらないのでとりあえず文字情報のみで。

X-TREME HARD - XH大暴年会
2016/12/10(土) @ 秋葉原MOGRA
http://club-mogra.jp/access/
OPEN/CLOSE:23:00-05:00
ENTRANCE:2500YEN/1D
※要ID/20歳未満入場不可

■SPECIAL GUEST
Jakka-B (Futureworld / From UK)

■DJs
DJ CHUCKY (GUHROOVY)
DJ Shimamura with MC STONE (WEEKEND RAVERS)
Morphonics a.k.a. 紙袋 B2B CaZ (EXTREMA)
DJ DEPATH&M-Project (TERRAFORM MUSIC)
DJ 490 vs Abitan (SKETCH UP! Rec. | WEEKEND RAVERS)
電撃姫vs204 (Scouse!TOKYO | HIKARIPSE)

■LIVE PA
m1dy (MADDEST CHICK'NDOM)
DJ Myosuke (MADCITY)
HAMMER BROS (KAK-A Recordings)
AV幼稚園
UTEROZZZAAA

■Lounge DJs
TAK666 (Cradle to Grave)
orinetone (QLoveDolls)

■MCs
KONNY MC (M.H.C.)
MC RALLY(DYNASTY RECORDS)
MC KCD

■VJs
かっか (NC帝國)
gatotsu
mine (9bi9)

てなわけで今年も年末はバタついておりますが、宜しくお付き合い願いたく候。
  1. 2016/11/02(水) 17:00:16|
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