m1dy&BUBBLE-Bのディープ川崎ツアー 川崎大師編

九月某日。

午後二時半、川崎駅改札前にて
m1dy(34)、BUBBLE-B(31)、合流。

「さて、ナカジマ君(BUBBLE-B)、まず何処へ案内してくれるんだい」
「じゃあヨドバシアウトレットに行きましょうか」
「ほほう…」
「ここはですね、フロアが非常に広いのですが、
 それに反して店員の数が少なくて面白いのです」
「ほう…いいねぇ。これっぽっちも興味がないなぁ…」
「ところで、どうですか川崎は」
「やはり人の顔が、東京とは少し違うね」
「いわゆる川崎ヅラですな」
「あれだ、尾てい骨が平均より、長そうな顔」

などと言いつつ、駅を出てヨドバシへ向かって歩き、
車道を渡ろうとするや否や、いきなり車に轢かれそうになる。
「おいおいおいナカジマ君、ボクはもう帰ってもいいかい?」
「m1dyさんは川崎に来るなり車に轢かれたとブログに書きますよ」
「轢かれた際はしっかり写真も撮ってくれよぉ?」

ヨドバシアウトレット到着。
確かにフロアは広く、そして店員が少ない。
「いやあ、品揃い抜群だねぇ。そして何ひとつ欲しい物がないねぇ…」
「どうですか、この大型テレビでも買って帰ったら」
「まったくいらないねぇ…」
「いいじゃないですか。手で持って帰れば」
「ボクはいらないと言っているんだよ?」

キーボードコーナー。
「最近USBキーボードの購入を考えているんだよ」
「ローランドから薄くていいのが新しく出ましたよ」
「ほう、あれかい、こうクルクルッて丸められるのかい?
 …おい、ちょっと待ってくれよナカジマ君」

洗濯機コーナー。
「我が家には洗濯機がないのだよ」
「じゃあこの業務用の二十万のを買ったらいいじゃないですか」
「…あれかい?キミはボクのことが嫌いかい?」

特に買い物もせず、店を後にする。
「次は何処かね?」
「これから京急に乗って川崎大師に向かいます」
「おお…なんか観光っぽいねぇ」
「m1dyさんを是非、京急に乗せてあげたいと思いまして」
「…そっちがメインなのかい?」

車内。
「京急はですね、先頭車両と最後の車両だけ重いんです」
「ほう、それはまた何故?」
「そうすることで脱線しにくくなるんですね」
「あれだね、頭とケツに、こう、土嚢が山積みになっているんだね?」
「着きましたよ」

下車。
「川崎大師にはよく来るのかい?」
「来るわけないじゃないですか。こんなとこ」

改札から出ると、何故か人の山。
「おいおい、なんだい一体。今年は厄年の人が多いのかな」
「なんか子供がマイクで叫んでますね」
「声を張りすぎて何を言っているかさっぱりわからないねぇ…」
駅を出てすぐの所に仮設テントが建てられ、
その前面を囲む様に体操服姿の小学生の団体が座り込み、
中央で「チョージューローナシガー」と餓鬼が奇声を上げている。
それを更に、大勢の人が取り巻いて見ている。
「なんか梨がどうとか言っていないか?」
「あすこに梨がいっぱいありますねぇ」
「おい見ろよナカジマ君、あっちの方まで行列ができているぞ」
駅前から線路沿いに人の行列がずらりと出来ている。
「踏み切りの手前まで並んでますなぁ」
「どうせなら踏み切りの中まで並んで欲しいとこだねぇ」
どうやらこの人込みは行列の先頭部分に当たるらしい。
「これはあれかい、今から一人一人、顔に梨をぶつけられるのかい?」
「バカな人達ですねぇ」

暫く眺めていたが、特に面白いことも起こらないので
「この暑い中、常温の梨なぞ欲しくもないんだよ」と笑顔で言いつつ、
川崎大師方面へ足を進める。

大師表参道を抜け、仲見世通りへ入るや否や、
両側の土産物屋の店先から、タッパの様な物に入れられた
剥き出しの飴の試食を勧められる。
「いやぁ、なんだろう。彼らはボクにあれを食えと言っているのかい?
 嫌がらせにも程があると思わないか?」
「ダルマ屋がありますよ」
「ダルマは勧めてくれないんだねぇ」
「ここを通らないと川崎大師に入れない様に道が作られてるそうです」
「ひどい話だねぇ…お、揚げまんじゅうがあるね。名物なのかな」
「どこにでもありそうですよね」
「そうだねぇ。そしてとても不味そうだねぇ…」

川崎大師、大山門到着。
「おっさん二人で川崎大師…クックック」
「…ナカジマ君、なんだかキミはとても楽しそうだねぇ。
 そしてボクはそれを見て、大変に不愉快な気持ちだなぁ」

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浮かれる男。

ギラギラの太陽の中、境内を進む。
「これはあれだな、悪い所に煙を当てると、どうかなるって奴だね」
「どうしますか?顔ですか?頭ですか?」
「二択なのかい…?」

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顔に当てておいた。

「おみくじを引いて行こう。ネタになる」
「定番中の定番ですな。引きましょう」
両者とも、吉。
「…こう、穏やかで、なかなかいいじゃないか」
「ネタにはさっぱりなりませんけどね」
「ボクはねぇナカジマ君、川崎大師が嫌いになりそうだよ」

境内をぐるり。特にネタになりそうなもの、なし。
「さて参拝しましょうか」
「そうだね。もう二度と来ねえ、と報告しに行こう」

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フルパワーで賽銭を叩き込む図。

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大山門前にて、不機嫌な男。

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思いなおし、無理にテンションを上げようとする男。

大師を後にし、再び仲見世通り。
まんじゅう屋の店先で「せっかくだから何か買いますわ」と
BUBBLE-B、チャーシューまんを購入。
「あちちちちちち」
「ナカジマ君、そのタイミングで地面に叩きつけて
 『この野郎!』と足で踏みにじらなけりゃダメだよ」
「具がゲル状ですねぇ」
「それは恐らくチューブから出てくる具だな」
「美味い美味い、とても食い物とは思えないです」

「早くもビールが飲みたくなったよ。
 途中に蕎麦屋があったね。そこで昼食にしようか」
甘味と軽食がメインと見られる店に入る。
「いらっしゃいませー」店員は全員、年配の主婦。
店内は味も素っ気もなく、いかにも参拝客向けといった感じ。
「ボクはビールと、ざる蕎麦。ナカジマ君は何だい?」
「じゃあ、ビールと月見うどんで」
ビールを飲みつつ、旅行の話に興じる。
「上海に行くんですよ」
「中は肉、皮は段ボールの肉まんを食ってくるといいよ」
などと話していると、ざる蕎麦と、月見「蕎麦」到着。

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納得のいかない男。

「うどんを頼んだんだけど…」と店員に告げると
ちょっとお待ちを、と厨房へ引き返し、
「蕎麦じゃないわよ、うどんよ、うどん」
「だって蕎麦って言ったじゃないの!」
「言ってないわよ!」
「あたしも蕎麦って聞こえたわよ」
「どうすんのよ!大体あなたはね!」
責任を擦り付け合う声が店内に響く。

もう蕎麦でいいか、と諦めて食べようとすると
「すいません今うどんと取り替えますから」
「いや、もうこれでいいので…」
「いえね、もう作り始めてるもので…」
「………。」
下げられる月見蕎麦。
憮然とした男を眺めてニヤニヤしつつ、蕎麦をすするm1dy。

勘定を済ませ、再び外へ。
九月半ばとは云え、まだ太陽は夏の勢いをそのままに、
ギラギラと午後の大師表参道を焼いている。
「不味くも美味くもなく、いい店だったねぇ」
「ええ、まったく印象に残らない、いい店でした」
「次は何処に向かうんだね?」
「ここから京急大師線の終点、小島新田駅に向かいます」
「ほう…そこに何か楽しいものがあるんだね?」
「いいえ、工場しかありません」
「……なんだかボクはドキドキしてきたよ」
そうm1dyが言うと、BUBBLE-Bは、真正面から照りつける
西日に目を細めながら、こう言った。
「西日と、閉まったシャッターと、野良猫が、川崎の全てです」


思ったより長くなってきたので今回は「川崎大師編」で一段落。
次回「小島新田編」、お楽しみに。

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  1. 2007/09/20(木) 23:58:21|
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